マイナンバーカードを落とした

 大手町の銀行に用があり,銀座線で赤坂見附,乗り換えて丸ノ内線で東京駅に行った。 用事が終わった後,東京駅の自由通路を通って,大丸に行き,買い物をした。その後,京橋まで歩いて,銀座線に乗って帰った。

 帰ったら,持っていったはずのパスケースがなかった。着ていった服のポケットなど探したが見つからなかった。どこかで落としたらしい。中には,マイナンバーカードと病院の診察券が入っている。診察券はすぐに再発行してもらえるのでたいしたことはないが,問題はマイナンバーカードである。

 ChatGPTとGROKで調べると,マイナンバーカードを落とした時の措置の手順が列挙された。まず,マイナンバーカードの機能を一時停止にする必要があるらしい。指示された「マイナンバー総合フリーダイヤル」に電話した。マイナンバーの特定のため氏名や生年月日などを尋ねられて,カード機能が一時停止された。次に警察に届け出る必要がある。近くの交番に出かけて紛失届を出した。こうして届を出すと受理番号をくれる。この受理番号が再発行の際に必要らしい。

 再発行までにひと月以上かかるらしいので役所まで行って再発行手続きをしようと思った。しかし,見つかったら連絡があるようなので,少し待つことにした。

 沈んだ気分のまま二日ほど過ごし,「東京メトロお客様センター」に電話して尋ねてみた。すると銀座線内から該当する落とし物が見つかっていることがわかった。誰がどのような経緯で拾って届けてくれたのかはわからないが,感謝するしかない。お客様センターから11桁の拾得物番号を教えてもらった。指定された飯田橋にある「東京地下鉄㈱ お忘れ物総合取扱所」に行った。持っていったパスポートで本人確認がなされ,捺印して落としたパスケースを受け取った。

 しかし,まだすることがあった。マイナンバーカードは一時停止になっているので,これを解除しなければならない。役所に行った。やはりパスポートで本人確認がなされ,二つのパスワードの入力を求められて,一時停止の解除が完了した。

 面倒なプロセスだったが,紛失した自分が悪いのだから受け入れるしかない。結果からみれば,東京メトロへの問い合わせだけでよく,マイナンバーの一時停止と警察への届け出はしなくてもよかった。特に一時停止の必要はなさそうだった。つまり,通常,誰でもするようにまず最初に落とし物を探せばよかったということになる。マイナンバーカードはかなり厳重に保護されているし,犯罪組織でもない限り,拾った他人のマイナンバーを使う動機はあまりない。これは見つかったから言えることだが。

 前からマイナンバー制度には疑問を持っていた。しかし,給与や謝金の支払いにマイナンバーの提出を求められるようになったので,随分前に仕方なく作った。当時は,機密保持に大変な配慮がなされていた。しばらくは,確定申告で使うくらいだったが,今は,定期的に通院するので,もっぱらマイナンバーカードを保険証として使うし,銀行などでも身分証明として提示を求められ,窓口であっけなくコピーをとられてしまう。

 最初は任意だったが,健康保険証が廃止されて実質的に義務化されてしまった。しかし,普及率は2026年3月で81.4%である。マイナンバーカードの発行などで自治体の負担は大きいと思われるが,こうした実務に使われてきた費用に比べマイナポイントに費やした費用(約2兆円)が大きいことを含め,国は見境なくマイナンバーを普及させようとしてきた。しかし,多少,便利になった点があることは否めないが,最初から行き当たりばったりの事業であるように思われ,未だにどのような全体像を描いているのかがわからない。