短い間に,TOHOシネマズで4本の映画を観た。連休のためだろうがどれもほぼ満席だった。TOHOシネマズでは,長い広告があるが紙兎ロペとアキラ先輩の割引CMと未だに「懲役」と言っている「映画泥棒」の動画が苦手。
最初に観たのは『国宝』(作:吉田修一,監督:李相日)である。封切直後に観ようとしたが上映時間が3時間という点がネックとなった。次に,Audibleで聴き始めたが,冒頭の長崎のヤクザの凄惨な抗争場面でいやになった。今回,長さはさほど気にならなかった。「二人藤娘」がよかった。内容は,簡単に言えば歌舞伎役者の浮き沈みであるが,説明不足がある反面,冗長と思える箇所も多かった。これほどの観客動員数となった理由はよくわからない。歌舞伎そのものが興味をもたれたのだろうか。『曽根崎心中』の足で芝居をする北新地天満屋の場もそれなりに理解されているらしい。
次は,『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(作:アンディ・ウィアー,監督: フィル・ロード、 クリス・ミラー)である。こちらも2時間36分の長さだった。なかなか終わらなかった。異星人との友情がテーマのSFコミックなのだが,地球の危機自体もよく理解できなかったし,その解決策もよくわからないままであるものの,そうした点は気にしてはいけないのだろう。主演のライアン・ゴズリングについてはそれほどのファンではないが『きみに読む物語』以来,何作も出演作を観てきた。ここではほぼ全編,人間の相手がいなくて一人でコメディを演じていることになる。
そして『木挽町のあだ討ち』(原作:永井紗耶子,監督:源孝志)を観た。原作はキンドルで3年前に読んだとはいえ,まず仇討ちがありその後で何人かがこのあだ討ちについて語るという趣向だったこと以外,あまり覚えていなかった。原作は,江戸末期の歌舞伎小屋についての尋常ではないほどの知識に支えられていて,映画はそれを十分生かしている。忠義を尽くしたい,殺生はいやという矛盾を解決するためのプロジェクトに一同が邁進する。柄本佑は狂言回しの役割で,渡辺謙が主役である。原作にある菊之助の母との因縁は触れず,当日のコミカルな奮闘ぶりが印象に残る。江戸の住民の心意気まで感じさせて気持ちがよい。
朝7時50分開始の『サンキュー、チャック』を観るために,またTOHOシネマズ日本橋に行く。さすがにポップコーン売り場は開いておらず,クッションの貸出もない。ほとんどの観客が一人で来ている。しかし,満員に近い。世界が壊れていく冒頭は期待が持てたが,それ以外には,はぐらかされた。