青山一丁目交差点の赤坂御所のはす向かいにあった本田技研工業(ホンダ)のHonda青山本社ビルの建物は,2026年4月現在,解体途中である。今年の夏までに姿を消すだろう。ここに新しい本社ビルを建てるのかと思ったが,本社は八重洲の再開発ビルに移り,ホンダは今の場所に三井不動産の建てるビルの一部に入るだけと発表されている。

ここのところ,ホンダにはマイナスイメージがつきまとっている。2026年3月12日にホンダは四輪電動化戦略の見直しと,その影響で最大2兆5000億円の損失が発生する可能性を明らかにし,さらに2025年度は1957年の上場以来初の赤字決算となる見込みと発表した。ホンダの電気自動車が売れなかったこと,トランプ関税,中国での販売不振などが原因として挙げられている。
ホンダは2021年シーズンでレッドブルF1から四度目の撤退をしたが,これは電気自動車など脱炭素技術開発へ資源を集中させるためだった。ところが,2023年に2026年シーズンからアストンマーティンと組んで復帰すると発表した。
そして,世界的なF1ブームの中で2026年シーズンが開幕したが,ホンダのパワーユニット搭載のアストンマーティンのアロンソ選手とストロール選手は,第1戦と第2戦ではリタイアで終わった。3月末に開催されたホンダの本拠である鈴鹿サーキットの日本グランプリではアロンソ選手がようやく18位で完走した。原因はわからないが,操縦に支障をきたすほどの振動があり,一時は生命の危険があるとまで言われた。アストンマーティン側はホンダの体制や技術に不満を持っている。
F1の問題は時間が経つうちに何とか解決するだろうが,近いうちに優勝できるとは思われない。挑戦撤退のタイミングを見誤ったことのほうが,ダメージが大きい。また,四輪車は,長期的には電気自動車になるし,失敗の要因の半分はトランプ政権の政策と考えられるが,売れない車を作り続けていたとなると,事態は深刻である。同じ時期に立て続けに問題が起きるのは,やはりホンダの経営陣の判断力が微妙にずれた結果ではないかと心配になる。