長い間,大学ラグビー対抗戦の早稲田大学対明治大学の試合は,12月の日曜日の午後に行われNHK総合テレビの中継がある。今年も12月7日に国立競技場で3万人以上を集めて行われた。結果は,25-19で明治大学が勝った。
この試合,SNSなどでもっぱら話題になったのは,レフリーだった。ラグビーでは,レフリングをとやかく言わないことになっているが,テレビ中継の解説者が言葉をなくし,アナウンサーは言い淀み,それだけでも異常だったと言わざるを得ない。この試合のレフリーは,スクラムの組み方,トライの判定,ノックフォワードの間違い,本来退場になるはずの危険なタックルの見逃しなど,あまりにミスが多かった。
なぜこうなったのか。大観衆の中でどうかなってしまった,普段はトップリーグで笛を吹いているので未熟な学生の試合に教育的配慮や指導を意識した,レフリングの世界的なスタンダードに合わせようとした,などいくつかの理由が考えられる。いままで観た国際試合ではレフリーは,できるだけ試合を切らないようにする一方,危険なプレイをした選手は容赦なく退場にしていた。この試合のレフリングは少なくとも国際標準ではない。
前半が終わった時に,誰かからレフリーに何らかの助言があるかと思っていたが,後半も全く変わらなかった。ラグビー協会もこのレフリングでよいと判断したのだろう。国際試合の多くやトップリーグではTMO(Television Match Official)というビデオ判定が導入され,微妙な判定には,第三者がかかわっている。このビデオ判定がない状態で,レフリーが暴走するとどうなるかがよくわかる試合だった。
ただ,早明どちらにも偏ってはいなかったし,明治大学の勝利は妥当なように思えた。しかし,不可解な判定に対してどうすることもできない両軍の選手たちが,いらつく様子がよくわかった。これから行われる大学選手権の中で,普通のレフリングで再戦できるといいが。